監修:亀田総合病院 ウロギネセンター長 野村昌良
【医師監修】腹圧性尿失禁とは?症状、原因と対策法
腹圧性尿失禁のすべて
腹圧性尿失禁とは、膀胱に腹圧がかかって、無意識に起こるUI(UI = Urinary Incontinence、尿もれ)のことです。
笑ったり、咳やくしゃみをしたり、重いものを持ち上げたときなど、お腹に力が入ったときに尿がもれてしまうといった症状があれば、腹圧性尿失禁の可能性があります。
どの年代にも起こりえますが、加齢とともに起きる身体の変化や、妊娠や出産をきっかけに、骨盤底筋や膀胱周りの筋肉が弱くなったときに出現することから、若年層にも多く見られます。
腹圧性尿失禁の症状
以下のような行動でUI(尿もれ)が起こっている場合は腹圧性尿失禁の可能性があります
咳
くしゃみ
笑う
立ち上がる
重いものを持ち上げる
走る
腹圧性尿失禁の主な原因
腹圧性尿失禁には、様々な原因があります。
妊娠や出産
妊娠中や出産後のUI(尿もれ)は、多くの女性が経験します。妊娠中や、出産の際は特に、骨盤底筋に大きな負担がかかります。経腟分娩は帝王切開と比べると、より腹圧性尿失禁になりやすいと言えます。
肥満
体重が増加することで膀胱に腹圧がかかりやすくなるため、UI(尿もれ) も起こりやすくなります。肥満も腹圧性尿失禁を引き起こす要因です。
ホルモンバランスの変化
閉経などによるホルモンバランスの変化も骨盤底筋のぜい弱化につながることがあり、腹圧性尿失禁を引き起こす、もしくは悪化させる原因となります。
慢性的な咳
慢性的な咳も骨盤底筋に負担をかけます。ぜんそくをお持ちの方や、喫煙をされる方も咳に悩む方が多く、UI(尿もれ)が起こりやすいと言われています。
腹圧性尿失禁の対処法
腹圧性尿失禁に対処する方法はたくさんあり、ほとんどが日常生活の中のちょっとした工夫で行えるものです。以下が腹圧性尿失禁の対処法です。
骨盤底筋トレーニング
腹圧性尿失禁は骨盤底のぜい弱化によるものです。しかし骨盤底筋は鍛えることができます。骨盤底は膀胱、子宮、肛門を支えるハンモックのような役割を果たしています。ケーゲル体操は骨盤底筋を引き締めたり緩めたりすることで筋肉の強化を図るものです。日常的なルーティンとしてケーゲル体操を行うことで腹圧性尿失禁の緩和へと繋がります。以下がそのやり方です。
骨盤底筋を数秒間しめる
骨盤底筋を締めた状態のまま数秒維持し、同じ秒数リラックスします。最初は短い秒数から始め、少しずつ練習を積んで十秒間できるようになりましょう。
骨盤底筋をキュッとしめる
骨盤底筋を一秒程度の短い時間でキュッと締め、リラックスしてください。
スクワットや特定のヨガポーズも骨盤底筋を締める動きを含むため、骨盤底筋を強化するのに大きく役立ちます。
詳しい情報については、骨盤底筋トレーニングについての記事を読んでください。
減量する
体重を落とし、肥満を軽減することで腹圧性尿失禁の症状を緩和します。近所を散歩するなど、毎日できることから始めてみてください。
尿漏れが気になる方は、UI(尿もれ)専用製品を身につけましょう
多くの女性が慣れているからとか、家にまだあるからという理由で生理用ライナー、生理用ナプキンをUI(尿もれ)対策に代用しています。
しかし、機能や用途が全く違うため生理用品で代用することはおすすめしません。
UI(尿もれ)専用製品は尿などの水分の吸収力が優れているのに対し、生理用は主に経血を吸収するように作られているため、尿を十分に吸収する機能が弱いのです。
ウィスパーの吸水ケア製品はUI(尿もれ)専用製品として開発されました。
ご自身の症状に合わせて、おりものにも水分にも対応する吸水ライナー「ウィスパー1枚2役Wガード」や吸水ナプキン「ウィスパーうすさら吸水」、もう少し安心感を得たいなら尿ケアパッド「ウィスパーうすさら安心」をぜひ試してみてください。