監修:亀田総合病院 ウロギネセンター長 野村昌良
【医師監修】女性の尿もれ3タイプについて -特徴と対策法も解説します-
女性のUI(尿もれ)は尿道がうまく閉じられなくなったときや、膀胱が勝手に収縮してしまう時などに起こるケースがあります。
一概にUI(尿もれ)とは言っても、いくつかのタイプがあります。
一般的なUI(尿もれ) のタイプは次のようなものになります。
腹圧性尿失禁
切迫性尿失禁
混合性尿失禁
本記事では、それぞれの特徴と対策法について、解説しています。
腹圧性尿失禁
まずは、腹圧性尿失禁についてです。
腹圧性尿失禁の特徴
腹圧性尿失禁は、女性のUI(尿もれ) のなかでも年代を問わず一番多くみられるタイプで、腹圧性尿失禁は咳やくしゃみをしたときや、重いものを持ち上げたときなど、お腹に力が入ったときに膀胱が圧迫され、尿が無意識にもれてしまう現象です。 主な原因は、膀胱と尿道を支える骨盤庭筋や、周辺の神経系、靱帯のぜい弱化であるため、特に妊娠や出産を機に症状が出始めることも原因のひとつとされています。 また、体重の増加や更年期によるホルモンバランスの変化も、腹圧性尿失禁を引き起こす原因となります。
腹圧性尿失禁の対策法
腹圧性尿失禁の代表的な対策法は、下記のとおり。
骨盤底筋トレーニング
減量
便秘をしない
タバコをやめる
順番に説明していきます。
骨盤底筋トレーニング
ケーゲル体操をはじめとした骨盤底筋トレーニングを行い、骨盤底筋が強化されることで、尿を膀胱にとどめておく事ができるようになり、UI(尿もれ)を防ぐことができます。
骨盤底筋トレーニングについての記事はこちらをチェックしてください。
減量
肥満は慢性的に骨盤底に負荷をかけることになり、骨盤底筋が弱くなってしまうひとつの原因となります。適度な減量はUI(尿もれ)の改善に大きく役立ちます。
無理のないことから少しずつはじめるだけでも大丈夫です。
朝もしくは夕方の散歩を、日常生活に取り入れるだけでもUI(尿もれ) は軽減されるでしょう。
便秘をしない
便秘をしないことは、膀胱への圧迫を軽減します。
例えば、腸の活動を活性化させる食物繊維を積極的に摂ることなどを心がけてみてください。
便秘が解消されれば、UI(尿もれ)の頻度も軽減されるかもしれません。
タバコをやめる
喫煙は慢性的な咳の原因のひとつとしても知られています。
咳をすることで骨盤底に負担がかかり、筋肉がぜい弱化することでUI(尿もれ)へと繋がります。
健康的なライフスタイルを送り、UI(尿もれ) の症状を緩和させましょう。
切迫性尿失禁
次に、切迫性尿失禁についてです。
切迫性尿失禁の特徴切迫性尿失禁は、急に強い尿意があり、我慢できずにUI(尿もれ)てしまうという現象で膀胱やその周辺の神経や筋線維がうまく働かないことによって引き起こされます。 神経系の損傷も原因の一つであり、特に膀胱と脳の間での情報伝達がうまくいかずに膀胱の制御ができなくなるというような場合もあります。 その他には、多発性硬化症、パーキンソン病、糖尿病、そして脳卒中といった病気はある特定の内服薬も切迫性尿失禁の原因となることがあります。
切迫性尿失禁の対策法
切迫性尿失禁の代表的な対策法は、下記のとおり。
食生活に気をつける
排尿スケジュールをたてる
適切な水分を補給する
薬を飲む
順番に説明していきます。
食生活に気をつける
カフェイン、アルコール、辛い食べ物、炭酸飲料などは膀胱に負担をかけることがあります。できるだけ控えるようにしましょう。
排尿スケジュールをたてる
トイレに行くスケジュールを立ててその通りに実行してみましょう。
例えば尿意に関係なく、最初は一時間に一回とするのでもいいでしょう。
いったんそのスケジュールで問題がなければ、次はトイレに行く時間の間隔を拡げてみましょう。
この方法は膀胱をトレーニングすることになるだけではなく、急に感じるこらえきれない尿意を抑えることにも役立ちます。
適切な水分を補給する
水分を控えなくてはいけないと思っているかもしれませんが、切迫性尿失禁の場合でも適度な水分補給は重要です。
尿の比重が高くなると膀胱を刺激する場合があり、症状の悪化にもつながります。適度な水分を補給し、薄い黄色の尿の状態を保ちましょう。
薬を飲む
切迫性尿失禁の症状を改善するために、前述の対処法を試しても改善の余地が見られないときには、医師の判断のもと、内服が提案されることもあります。
混合性性尿失禁
次に、混合性尿失禁についてです。
混合性尿失禁は、腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の混合タイプのUI(尿もれ) のこと。
この場合、腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁の両方の治療が必要となることがあります。
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